生まれ変わりつつある中山雄太の第2章
「ひと言で表すのならば、安心感を与えられる選手ですね。守備の安定だけでなく、攻撃でもチャンスを生み出すプレーは僕自身、復帰してから強く意識していること。そこで数字がついてくれば、おそらく攻撃的になったと受け止められると思う。数字はひとつの指針であり、今日に関しては数字が出なかったけど、前線に絡んでいったシーンはかなりあった。そこで同時に数字がついてくればいいですよね。守備もできて攻撃もできるのが目指すところであり、もちろん自分だけじゃないところもある。チームがしっかりと成長しながら、自分もそこに関わっていけるように、日々を大切にしていきたい」
昨年9月以来となる森保ジャパンでの活動で真っ先に感じたのが、最終ラインからビルドアップしていく意識がより高まっている点と、前からの守備を起点としたショートカウンターが研ぎ澄まされている点だった。前者は中山がもともと得意としていたプレーであり、後者に関しても自らが敵陣の高い位置で素早くセカンボールを回収した7分に披露した。
385日ぶりに経験する代表戦だったが、中山自身は感慨深さといった感情は抱かなかったという。
「やはり周りの選手やスタッフ、ファン・サポーターのみなさんがそういう雰囲気を作ってくれるので、そこは素直に嬉しいですし、感謝の思いもたくさんある。そのなかで僕は地に足をつけて、自分がやるべきプレーをやっていくだけだと思っている。まだ1試合。もちろん僕もベストじゃないし、チームが勝つなかで改善点を見つけながら、僕自身も変化を生み出していきたい」
ハダースフィールドで戦列復帰を果たしたのが9月上旬。国際Aマッチデー期間による中断後には5試合連続で先発に名を連ね、ようやく手繰り寄せた日本代表復帰はいわば通過点。通算18試合目の出場となったカナダ戦でのフル出場から、生まれ変わりつつある中山の第2章が幕を開けた。
(取材・文:藤江直人)
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