復帰後の自身に課す「回数」と「判断」
「特に名波コーチがアタックの部分で入って、僕に対してもオーバーラップの回数を要求される。僕自身、そこが復帰後の自分に課している部分でもありますし、ハダースフィールドでもすごく意識している部分でもある。ゴールにはつながらなかったですけど、今日の試合でも前線に飛び出す回数は、前よりもかなり多くなっていると思う。あとはいつ前へ行くべきなのか、どのタイミングで行くべきなのか、後ろの味方の枚数はどうなのか、という状況判断のなかで、よりベストの選択を下し続けたい」
1点をリードした開始7分には積極的なオーバーラップから、あわや追加点の場面を演出している。
敵陣の左サイドでセカンドボールを回収した中山が、前方にいた田中へパスを預ける。田中はさらに前方にいたMF中村敬斗へパス。カナダ全体を敵陣に押し込んでいた状況を見た中山は、その間に大きな弧を描きながらオーバーラップ。田中と中村を一気に追い抜いていった。
そして中村からのパスを引き出し、ゴールラインが見えてきたあたりで左足を軽くタッチさせる。ふわりと浮かせたボールのターゲットは、右サイドからゴール中央へ侵入してきた伊東。シュートそのものは当たり損ねになり、相手キーパーにキャッチされたが、スタジアムを大いに沸かせた場面だった。
「自分が行くべきタイミングで前へ行った、という感じですね。ああいうシーンがもっと増えればいいですし、そこがより多くのゴールにつながっていけばいいかなと思っています」
あわやアシストの場面に手応えを深めた中山は、第二次森保ジャパンの初陣だった3月から継続的に招集されている中村と、代表で初めて共演する上で「かなりコミュニケーションを取った」と語る。
「僕自身が遅れているというか、みんなと一緒にプレーする時間が少なかったので。練習だけでなく試合中でも起こった問題に対して『こうしていこう』と話し合っていたので、そこが(中村との関係が)スムーズに要因なのかなと。いろいろしゃべったなかで、彼の特徴はどちらかと言うと自由にプレーさせた方がいいと思っていたし、僕自身もそうですけど、もっとよくなるという手応えもありました」