一貫したコンセプトと“勝てる土台”
うがった見方をすれば、良くない守備が攻撃の呼び水になっているところはあるかもしれない。
攻撃できるのでカナダ代表は前へ出てくる。そして日本代表のカウンターが炸裂する。70分の旗手怜央からサイドチェンジで右サイドの伊東につなぎ、相手のハイプレスを一発で引っくり返した場面。あるいはその直後、ロングボールを浅野がヘディングパスでつないでから裏へ抜け出したシーンなど、手数をかけずにゴールへ迫っている。
日本代表のコンセプトは一貫している。今回も選手の構成が違う中でも、4-4-2の守備ブロックを基調とし、攻撃では南野が右インサイドハーフ化する4-3-3。4-4-2からのハイプレスは、捕まえ切る前にトップのデイビッドへロングボールを蹴られ、そこを起点にされてプレス回避されていた。南野が落ちる形の攻撃もドイツ代表戦の鎌田大地ほど機能していない。
ただ、それでも個々に結果を出すことはできていて、そのあたりの個人の勝負強さも勝てている土台になっているのだろう。
(文:西部謙司)
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