すべてが上手くいっていたわけではない
その後も展開は互角ながら、中村敬斗のヘディングシュート、バーに当てたFKがあり、ゴールには迫っていく。
そして40分に2点目。田中のタイミングの良いバイタルエリアへの侵入から左へ捌き、浅野拓磨の低いクロス。南野拓実は触れなかったが、デイビスのオウンゴールとなった。2分後には浅野が最前線のプレスで奪って独走、中村へ渡して3-0。
後半に入って49分、南野の巧みなコントロールに続いて伊東純也の絶妙の短くチップさせたスルーパスから田中が蹴り込んで4-0とした。
フィニッシュワークは素晴らしかった。ただ、すべてが上手くいっていたわけではない。
左サイドを大きく縦に移動するデイビスのリードで可変するカナダ代表に対して、日本代表のファーストディフェンダーが決まらず、相手に前進を許してローブロックで守るケースが多かった。本来ならミドルゾーンで引っかけたいところだが、ボールホルダーにプレッシャーをかけきれないのでディフェンスラインを上げられない。
さらに最深部からのビルドアップも出しどころを抑えられ、ロングボールをカットされて再び攻め込まれるという展開に。つまり、守備もビルドアップも決して上手くいっていなかった。にもかかわらず、気味が悪いほど点をとれるのが現在の日本代表なのだ。