サッカー日本代表の可変パターン
相手にマークされている状態だった遠藤が無理にボールを受けようとすれば、日本代表の最終ライン付近で不用意なボールロストが起きるリスクもある。配球役を田中と両CBに任せて遠藤自身は相手を引き付ける役に専念していた。
カナダ代表にとってこの試合はマウロ・ビエロ暫定監督が指揮を執る初めての試合で、カナダ代表がどのような形で来るか不透明な部分も多い中で日本代表は試合に入った。南野が「可変についてはパターンBやパターンCくらいまである」と明かしていたように、1つのやり方がうまくいかなくても試合中に次のプランへと移行できるのが日本代表の強みになっている。
「チーム全体で準備しつつも、自分が選手と話しながら判断して最終的にそう(修正)した」と遠藤が話せば、森保一監督も「ワンボランチからダブルボランチに変えるところは、選手たちがスムーズに試合の中で自発的に切り替えてくれた」と称える。遠藤や南野、冨安など、世界最高峰のリーグを日常とする選手たちを中心に、最適解を導き出せる戦術理解度が今の日本代表には備わっている。
「戦術の幅、こうなったらこうだよねという臨機応変さは持っている」と遠藤は話す。「日本人は戦術理解度みたいなものがもともと高いと思うし、細かい修正をしたときに自分たちがやれるクレバーさがあるチームだと思う」と日本代表を分析した。
日本代表は5試合連続で4得点以上を奪って勝利と、かつてないほどの強さを見せている。ただ、「ワールドカップ優勝」を目標に掲げる選手たちに慢心はなく、勝った直後でも課題や修正点をしきりに挙げていた。
(取材:元川悦子、加藤健一、文:編集部)
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