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日本代表 1年前

浅野拓磨を輝かせた「そうじゃない時」の貢献。サッカー日本代表で見せた新たな一面【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

浅野拓磨が「着実に成長」



 今季UEFAチャンピオンズリーグ(CL)に参戦する上田、古橋の経験値とどうしても比較されがちではあるが、浅野は浅野で着実な成長を遂げている。それをしっかりと示したのが、今回のカナダ代表戦だったのではないか。

 これまでの浅野は「ビッグマッチで決められる勝負強さ」が最大のストロングポイントだった。2017年9月の2018年ロシアW杯最終予選・オーストラリア代表戦の先制弾、2021年10月のオーストラリア代表戦の決勝点につながるオウンゴールのお膳立て、カタールW杯・ドイツ代表戦での決勝弾など、大舞台の大仕事を数えたらキリがないほどだ。もちろんハードワークや守備への献身性も高く評価されてきたが、ボールを収めて起点になる仕事だけは足りないという評価が一般的だった。

 その課題を克服する布石を打ったことで、FW争いは一段と混とんとしてきそうな気配だ。17日の次戦・チュニジア代表戦は上田のスタメンが有力視されるが、その上田もターゲットマンとしては進化の途上にある。フェイエノールトでの経験値を本人も遺憾なく出そうとするはずだが、カナダ代表戦の浅野のパフォーマンスを上回ることができるか気になるところだ。

 いずれにせよ、新境地を開拓しつつある浅野の存在価値が高まったのは事実。彼にはその歩みを止めてほしくない。どんな苦境でも、孤立した状況にあっても、確実にターゲットになれる能力を身に着けるべく、より貪欲に突き進んでほしいものである。

(取材・文:元川悦子)

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【了】

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