久保建英の疲労はピークに?
ただ、久保が影を潜めたのはアトレティコの対策がすべてではないだろう。やはりハードスケジュールによる影響はあった。
久保はソシエダの核となったが、リオネル・メッシのような王様ではない。守備では高い位置からのプレスを怠らず、球際でも激しく戦う。攻撃面だけでなく、そうした部分が評価されたからこそ、ラ・リーガ月間MVPを受賞できたのだろう。
その分、体力の消耗は激しい。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)というレベルの高い舞台に臨んでいる今季はなおさらだ。それに加えソシエダは主力と控え選手の差が大きすぎるのが1つの悩みで、なかなか久保の負担は軽減できていない。背番号14の疲労は現状、蓄積されていくだけとなっている。
アトレティコ戦の久保は明らかに疲れていた。パスを収めきれなかったり、ドリブルが少し大きくなったりと、ボールが足についていないプレーが珍しく見られた。リーグ戦では最短となる63分での交代となったのは、アルグアシル監督がコンディション面を考慮してのことだろう。
これから久保は帰国し、日本代表活動を行う予定となっている。まさに休む暇もないといったところだ。ソシエダが今後、チームの核となっている久保の負担を軽減するには、やはりモハメド=アリ・ショーやアルセン・ザハリャンらが力を発揮し、総合力を底上げする必要があるだろう。彼らがカバーできなければ、久保はいつか壊れてしまうかもしれない。
(文:小澤祐作)