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遠藤航の1つの“成長“と2つの”課題“。リバプールで担うスイッチの役割【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

遠藤航の成長が見られたプレー


 この試合で見られた大きな成長が、最終ラインからのビルドアップ時の「ポジショニング」だ。

 LASKとのELのグループリーグ初戦では、相手FWロベルト・ジュリに完全に抑えられたことで、欲しいタイミングでパスが入らず、ボールを受けられた場面でもすぐに寄せられてロストしてしまう場面が見られた。これらの原因となっていたのが、ポジショニングの悪さだった。一度取ったポジションからの動き直しが少ない分、相手FWからすればマークしやすい状況が続いていた。

 一方の今節サン=ジロワーズ戦では、首を振って周囲を確認することで、相手のツートップとその後ろの選手に対して、常に間でボールを受けられる位置に立っていた。CBからのパスが遠藤に通ればターンして前を向いて、効果的な縦パスを通すことで、攻撃のスイッチを入れる役割を担っていた。

 相手のツートップは、2人の間にパスを通されることをかなり嫌がっていた。そのため両FWはお互いの距離を詰めるのだが、そうなると他のリバプールの選手がフリーで受けられるようになる。遠藤のポジショニングが良かったお陰で最終ラインからのビルドアップはスムーズに進んでいた。

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