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久保建英へ注がれる厳しい目。辛口評価の背景と求められる活躍の基準【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

収穫はエースの復調


【写真:Getty Images】



 これでソシエダは公式戦4連勝。以前から「勝ち続けることが何より重要」と口にしていたアルグアシル監督にとって、まさに理想的な流れが出来てきていると言えるだろう。

 その中でさらにポジティブな要素となっているのが、ミケル・オヤルサバルの復調だ。

 ソシエダのカンテラ(下部組織)出身で、トップチーム昇格後はエースとしてチームを支えてきたオヤルサバルだが、昨年3月に左膝の前十字靭帯を断裂する大怪我を負ってしまい長期離脱を強いられると、復帰後はなかなかパフォーマンスレベルが上がらず、批判を受けることもしばしば。主戦場は左サイドだが、ドリブルのキレはなく、らしくないボールロストも目立っていた。

 しかし、アルグアシル監督はオヤルサバルを我慢強く使い続けた。その成果とも言うべきか、背番号10は調子を取り戻しており、第6節ヘタフェ戦では途中出場ながら2ゴール。第8節、アスレティック・ビルバオとのバスクダービーでは1ゴールと結果を残している。

 そして、CFとして先発したザルツブルク戦でも躍動。7分に技ありの一撃で貴重な先制ゴールを奪うと、その後も味方と連係しながらゴールに迫り、結果的にチーム最多のシュートを記録した。1人で打開する力は久保やアンデル・バレネチェアに劣るものの、6分や66分の決定機が証明する通り、ボールを収める技術は秀逸で、シュートの精度も非凡。ここにきて、完全なるストライカーへと変貌を遂げつつあるのは、ウマル・サディクやカルロス・フェルナンデスらの状態を考えてもポジティブだ。

 スペイン紙『マルカ』も「オヤルサバルはコンディションに不安を抱えながら23/24シーズンをスタートした。以前の彼に戻るために必要なのは再びゴールを挙げる自信だけだったが、彼はヘタフェ戦で2ゴールを決め、まさにそれを成し遂げたのである」とエースの復調に触れている。このままオヤルサバルが完全復活すれば、ソシエダはさらにパワーアップするだろう。

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