DF:酒井高徳(ヴィッセル神戸)
生年月日:1991年3月14日(32歳)
リーグ戦成績:23試合2得点1アシスト
クラブ史上初のリーグ優勝という偉業に近づきつつあるヴィッセル神戸で、酒井高徳は右サイドバックのレギュラーとして堅守を支えている。サッカー日本代表としてFIFAワールドカップに出場し、ブンデスリーガ1部、2部計201試合に出場した経歴を持つ酒井の存在抜きに、神戸の躍進を語ることはできない。
ゴールを量産しているわけでも、アシストを数多く記録しているわけでもない。ただ、酒井の貢献度の高さは目に見える数字では測れない。ただ、1対1の局面で相手から自由を奪う、パスコースを作るためにスペースに走るなど、チームの勝利に必要なプレーを愚直なまでに遂行し続ける。右サイドで縦に並ぶことの多い武藤嘉紀との連係もスムーズで、右サイドの広範囲をカバーする酒井がいるからこそ、武藤が大迫勇也とともにゴールに近い位置で勝負できる。
神戸には経験の浅い若い選手も多いが、ハンブルガーSVでキャプテンを任された酒井は神戸でもキャプテンシーを発揮している。そういった点も踏まえれば、酒井がベストイレブンに選ばれることに異論はないはずだ。
DF:アレクサンダー・ショルツ(浦和レッズ)
生年月日:1992年10月24日(30歳)
リーグ戦成績:29試合4得点1アシスト
アレクサンダー・ショルツは2021年途中に浦和レッズに加入し、最終ラインの門番として多くのピンチを救ってきた。リーグ最少の22失点という記録はショルツの存在なくして不可能な数字で、多士済々のアタッカーたちの前に立ちはだかっている。
Jリーグ69試合連続警告(イエローカード)なしというクリーンな守備がショルツの武器で、初めてイエローカードをもらったことが話題になったほどだ。かといってそのディフェンスはソフトなわけではなく、ハードな寄せで相手に自由を与えず、わずかな隙を突いてボールを奪う。
あらゆる局面において抜け目がなく、90分を通して隙を与えないショルツの存在が浦和の堅守を支えている。その冷静さはPKでも活かされており、昨季は5得点、今季は2得点をPKで決めている。
DF:佐々木翔(サンフレッチェ広島)
生年月日:1989年10月2日(34歳)
リーグ戦成績:26試合0得点0アシスト
2度の前十字靭帯断裂を乗り越えた佐々木翔は、Jリーグ屈指のDFへと成長した。2度目の大怪我から復帰した2018シーズンはサッカー日本代表にも初めて選出され、リーグ戦でも4シーズンぶりに全試合出場を達成。以降も定期的に日本代表のユニフォームを着ており、広島でも不動のレギュラーとして活躍する。20シーズンからはキャプテンを務め、昨季はYBCルヴァンカップ優勝を経験している。
3バックの一角として非常に安定感のあるDFで、攻守にハイレベルなパフォーマンスを見せる。タックル成功率70%、空中戦勝率69.9%と非常に高いスタッツを残しており、高さと強さを兼ね備えている。強度の高いディフェンスは広島の生命線だが、最終ラインで佐々木が果たす役割は大きい。
機を見た攻め上がりで攻撃に厚みをもたらしつつ、強度の高いディフェンスで相手に主導権を渡さない。広島が標榜するスタイルを体現することで、チームを牽引している。34歳となった今季も、そのパフォーマンスには一点の陰りすら見えない。