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久保建英 1年前

久保建英は4年前から変わらない? 勝ち続ける理由と対策を上回る能力とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

久保建英の驚きのスタッツとは?



 ロビン・ル・ノルマンが前線に長いボールを蹴り込み、ミケル・メリーノが頭でフリック。これを左サイドで収めたブライス・メンデスが中央にグラウンダーのボールを送ると、サディクがターンに失敗したことでボールがファーサイドの久保の元にこぼれた。フリーになっていた背番号14は、これを冷静にニアサイドに突き刺している。

 一見するとそれほど難しくないゴールに思えるが、しっかりと考え抜かれた一撃だった。久保はこぼれてきたボールに対し体を開きながら向かっていき、ファーサイドに打つと見せかけてニアを射抜いたのである。GKウナイ・シモンは足を伸ばしていたが、完璧には反応できていなかった。

 さぁ後半巻き返すぞ! という中での久保の一撃は、ビルバオに相当なショックを与えたはずだ。もちろんソシエダにとっては、大きすぎる一点。この日のバスクダービーの運命を分けたのは、日本人の左足だったと言っても過言ではない。

 これで久保は今季早くも5ゴール目となった。現時点での決定率38.46%はアトレティコ・マドリードのアルバロ・モラタ(41.67%)に次ぐ得点ランキング上位5人中2位の成績。何よりすごいのは久保のここまでのゴール期待値(xG)で、なんと1.28だ。これは得点ランキング上位5人中、最少の数字である。それだけ可能性の低いところから、歓喜を生み出し続けてきたのである。(データは『Sofa Score』を参照)

 かつては決定力に難があった久保だが、もうそれを指摘されることはなくなるだろう。訪れたチャンスを確実に仕留めるだけでなく、自ら不可能を可能にする能力まで身についた。キャリア初のリーグ戦2桁得点への期待はますます膨らむばかりだ。

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