試合の流れを変えた「あの30分ちょっと」
「90分間を通してすべてがうまくいくわけがないし、そういう(苦しい)時間帯も必ずあると思っていた。いま振り返れば、それが立ち上がりの30分ちょっとだったのかなと。そういったなかでも粘り強くやり続けたところが、僕たちのメンタリティー(の強さ)だったと思っています。結果としてこのように勝利できましたけど、あの30分ちょっとは逆に大きかったと思います」
小学生年代からマリノスの下部組織で育った山根は、昨シーズンにトップチームへ昇格。2年目の今シーズンは3月にウズベキスタンで開催されたAFC・U-20アジアカップ、5月から6月にかけてアルゼンチンで開催されたFIFA・U-20ワールドカップを戦ったU-20日本代表にそれぞれ招集された。
マリノスを留守にする時間が多かったなかで、リーグ戦で先発するのは鹿島戦が6試合目だった。そのうち4試合は前半戦で、故障者が出た右サイドバックを急きょ任されたものだった。
一転してサガン鳥栖との前節から、主戦場のボランチで先発に名を連ねた。ともに下位に低迷する横浜FCに1-4、柏レイソルには0-2と今シーズン初の連敗を喫した直後に、キャプテンの喜田に代わって先発する。流れを変えたいと望むケヴィン・マスカット監督の胸中が伝わってくる。
しかも、鳥栖戦でも引き分けたマリノスは、大事な終盤戦で3試合続けて白星から遠ざかっていた。鳥栖戦から中3日で臨んだ、仁川ユナイテッドとのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループリーグ初戦も2-4で敗れたなかで、中4日で迎える鹿島戦へ期するものがあった。