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久保建英 1年前

久保建英もイライラ?ソシエダが抱える大きな悩み。勝ち試合で明らかとなった依存度【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

乱打戦を制す。その要因は?



 後半始まって15分も経たないうちに、アルグアシル監督は3枚替えを敢行。サディク、トゥリエンテス、ウルコを下げて、オヤルサバル、スビメンディ、メリーノと主力を一気に投入した。

 その後のソシエダは、わかりやすく良くなった。とくに良い働きを見せていたのがスビメンディとメリーノ。彼らはともに距離感がよく、段差の付け方もうまい。ボール回しは前半とは比べ物にならないくらいスムーズになり、ヘタフェの強烈なアタックをかいくぐった。前半わずか3本に終わったシュート数は、後半だけで7本を記録している。

 前半はウルコが機能していなかったこともあってB・メンデスが低い位置でビルドアップをサポートすることが多かったが、メリーノらが入った後は高い位置でのプレーを続けられた。同点弾につながるPKを獲得した場面では、スビメンディ→メリーノにパスが渡り、そこからボールを引き取ったB・メンデスがボックス内に侵入したことでファウルを誘発している。データサイト『Who Score』によると、B・メンデスが敵陣深い位置でボールを触った回数は前半がわずか4回だったが、後半は9回と大幅に増加している。やはりB・メンデスが高い位置でボールに絡むと、怖さは一段と増す。

 ヘタフェを押し込めるようになった中で、オヤルサバルがうまく試合に入ったことも大きかった。献身的な動きと味方を生かす上手さを随所で発揮し、PK含む2ゴールを奪取と結果も残している。エースの復調は個人だけでなく、チームとしても大きい。

 そして忘れてはならないのが久保の存在だ。この日は左サイドからの組み立てが基本。また、常に2枚に監視されていたこともあってタッチ数自体は少なかったものの、ボールを持てば脅威となった。スビメンディやメリーノが入った後半は中央でのプレー回数も増え、終盤にはモハメド=アリ・ショーへの絶妙なスルーパスから幻のゴールを演出している。タイトなスケジュールの中で出ずっぱり状態だが、それでもプレークオリティーが落ちないのはさすがといったところだ。

 もし主力をそのまま温存し、久保を途中で下げていたら…。ソシエダの勝利はなかっただろう。

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