「冷静になるべき」サッカー日本代表への警告
今回の日本が展開したサッカーは「素晴らしい」と、アレックスは改めて評価する。
「ワールドカップでは強豪のドイツやスペインに勝利して決勝トーナメントに進出した日本は、クロアチアを相手にPK戦までもつれこみ敗退しました。その戦いは我々を熱狂させてくれるものでした」
「そのときの内容と比較すると、今回の内容は7倍から10倍ほど良かった。今回日本が展開したサッカーは美しいプレー、美しい試合で見ている我々にとってとても魅力的でした。それは素晴らしいことだと思います」
内容の伴った結果を残した日本を称賛していたが、手放しで歓喜するのではなく「冷静になるべき」と我々に警告する。
「今回の2試合はクオリティも高い試合ができており、それは評価に値します。ただし、1つの大事な要素があります。それは、あくまでも親善試合であるということです。親善試合であることを前提にして評価や分析をしなければならず、我々は冷静になるべきです」
アレックスは強豪国スペインの出身で、常に勝利を求め、求められる環境に身を置いてきた。そういった勝者のメンタリティをもって育まれた指導者が「冷静になるべき」と警告した真意を説明してくれた。
「私は来日して3年が経ちましたが、これまでに見た日本代表のゲームで最も印象的で素晴らしいと感じたのは2022年3月に行われたアジア最終予選のオーストラリア戦で、後半に入った三笘が2得点を挙げて勝った試合です」
「今回の2試合はその試合に匹敵するほど質の高い内容で勝つことができました。誰が見ても明らかに成長を感じ取れるゲームでした。ですが、あくまでも親善試合なのです。日本がFIFAランキングで首位になったわけではありません。心を落ち着かせて親善試合ということを前提にすれば、チームとしての積み重ねが重要ということが理解できるはずです」
「さしあたって日本代表として大事になってくるのはアジアカップでしょう。その大会に向けてどう戦うかを考慮して、ひとつひとつ整備している段階なのです」
目標に向けてチームとして積み重ねていけているかを見なければならないと説いたスペイン人指導者は、最後に以下のようにまとめた。
「アジアカップに向けて日本は期待できるチームになっています。しかし、期待しすぎてはいけません。なぜなら、まだまだ習得すべき大事なことが残されているからです」
その習得すべき大事なこととは一体何か――。
アレックスは今回の2試合について、守備面と攻撃面に分けて詳しく分析してくれている。それを知ることで、日本がさらに積み重ねるべきポイントが見えてくる。
その詳細は次回となる。
ダビド・ビジャ来日決定!
ワールドカップ得点王の称号をもってヴィッセル神戸でも活躍した元スペイン代表FWダビド・ビジャが11月下旬に来日予定(日程変更の可能性あり)。昨年と同様に主宰する『DV7サッカーアカデミー』のスクール生に向けたイベントを行う予定。今すぐ入会すれば、まだそのイベントの参加権が得られる。
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『DV7サッカーアカデミー』ウェブサイト
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