フットボール批評オンライン

「研ぎ澄まされていた」スペイン人指導者が高く評価したサッカー日本代表。その一方で「習得すべき大事なことが残されている」

シリーズ:フットボール批評オンライン text by 川原宏樹 photo by Getty Images

ドイツ代表を苦しめた2つの理由

サッカー日本代表DF板倉滉とFW上田綺世

【写真:Getty Images】



「数ある選択肢のなかから的確なプレーを選んで前進させられる選手がサイドにいると、ボールはよく動くようになります。日本はそうやってボールを動かすことで、スムーズに攻撃へ移行できていました。それができていたということは、そういったサイドの選手らが選択したプレーの質が高く、的確な判断だったと言えるでしょう」

 続いて、ドイツが思うようにプレーできなかった理由を2つピックアップしている。

 その1つは日本代表の「センターバックの質が高かった」ことで、冨安健洋と板倉滉のプレーを称賛した。

「冨安と板倉のディフェンスは相手へのプレッシングも早いし、カバーもスライドも早い。また、危険なエリアを察知する能力も高いので、相手はとても難しいプレーが強いられていました。最後尾中央を堅く閉じた守備でした」

 もう1つの理由に、日本代表の前線に速い選手がそろっていたことを挙げている。

「日本の前線には三笘薫、伊東純也、鎌田大地といった選手がいて、ボール奪取後に素早く渡して早い攻撃を仕掛けようとしていた。その日本の攻撃にリスクを感じたドイツは、思うようにデフェンスラインをコントロールできていませんでした。結果として、ラインを高く保てなかったドイツの攻撃はアグレッシブさを失うことになりました」

 日本の攻撃力は守備面にも影響を与え、チーム全体で良い循環をつくり上げていたと分析している。

 1年も経たないうちに2度も同じ相手と戦った日本代表だが、短い期間にもかかわらず1度目の対戦からは見違えるほど試合内容を向上させて勝利した。アレックスはこの進化に驚きを覚え、素直に褒め称えていた。

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