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明治安田生命J1リーグ第27節、鹿島アントラーズ対セレッソ大阪が16日に行われ、1-0で鹿島が勝利した。ともに古巣に復帰した香川真司と柴崎岳は、この試合のピッチで久々に再会を果たしている。似た境遇を持つ2人は、それぞれの立場から「帰ってきた意味」を見出している。(取材・文:藤江直人)
香川真司と柴崎岳の再会
ハーフウェイラインに沿うように、センターサークルを目指して小走りしていった鹿島アントラーズの柴崎岳が、途中でちょっとだけ右側へ、セレッソ大阪の陣内へ膨らんだ。
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ホームの県立カシマサッカースタジアムで、16日に行われた明治安田生命J1リーグ第27節。鹿島が1-0とリードして迎えた72分だった。松村優太との交代で投入された柴崎が、2016年10月22日のFC東京戦以来、2520日ぶりにリーグ戦への復帰を果たした直後の仕草には理由があった。
柴崎の視線の先にいたのは香川真司。自分のもとへ近づいてくる柴崎の姿に気がついたセレッソのゲームキャプテンは、すれ違いざまに左手を大きく振りかざす。柴崎がそっと差し出した右手とタッチをかわした香川は、そのまま左手で柴崎の背中を軽く叩いた。
ともに現所属チームで十代にしてプロデビュー。ヨーロッパでのプレーをへて、今シーズンの開幕前に復帰した34歳の香川と、今月に復帰したばかりの31歳の柴崎が、敵味方に分かれて初めて対峙した一戦。マッチアップを待ち望んできた2人が、神聖な儀式をかわした瞬間だった。
鹿島がそのまま逃げ切った試合後の取材エリア。香川へ抱く憧憬の思いを柴崎が語った。
「特別な気持ちというか、日本代表で一緒に戦ってきた同志ですし、個人的には少なくとも他の選手とは違う気持ちを抱いているので、一緒に試合ができて本当に嬉しかったです」
そして「香川選手」と言いかけた柴崎は、強い思いに導かれるように、あえて名前に言い換えた。