両者が振り返る課題
日本代表のダブルボランチはその変化に的確に対応し、運動量とインテンシティを引き上げる必要があった。が、デュエルの部分で負けたり、ボールを奪い切れなかったりと守備面で劣勢に立たされるケースが目立つようになってしまう。
「守備のところではフィルターになりきれなかった」と伊藤敦樹が言えば、田中碧の方も「後半になって強度が落ちた分、球際で負けたり、奪われたりした。まだまだ足りないなと感じさせられました」と反省する。2人揃って対人のところで勝てない場面も散見されたあたりは大きな課題だったと言っていい。
中盤でボールを引っかけられ、2失点目を食らった61分の場面などは、中盤に大きなスペースが空いた典型例。右サイドでジェンギズ・ウンデルがフリーでボールを持った瞬間、伊藤洋輝の寄せが中途半端になり、左に展開され、最終的にはゴール前のベルトゥー・ユルドゥルムに決められた。こういう時こそ、田中碧と伊藤敦樹の両ボランチには未然に防ぐ動きをしてほしかった。
守備の修正が難しいと判断した森保監督は19分に遠藤を投入して田中碧とコンビを組ませた。交代を命じられた伊藤敦樹は「航さんは守備で存在感を出して、攻撃面でもより前に出ていくことができていた。あの存在感は自分の目指すところ。今日は手ごたえもありましたけど、課題の方が多く残る試合になりました」と神妙な面持ちで語っていた。