オーストリアで鍛えられたもの
今の日本代表はサイドプレーヤーの守備負担も非常に大きい。三笘が昨年までスーパーサブと位置づけられていたのも、当時は運動量や継続性に難があると評価されていたからだ。中村もそこは危惧されるところだが、本人はオーストリアやフランスでの経験値で対応できると見ているようだ。
「プレッシングというのは、昨季まで所属していたオーストリアリーグの特徴。『技術うんぬんよりもプレッシングサッカー』みたいな感じだったんで、自分は鍛えられているし、結構、出せると思います。
それにオーストリアはドイツ系の選手が多かったんで、体がデカくて、ガシャンとクラッシュするような場面も少なくなかった。そういうところは自分なりに成長したと感じます。それをトルコ戦のピッチで示せればいい」
彼はハードワークや激しい守備も含めて全身全霊でアタックしていく覚悟だ。
左サイドで縦に並ぶ可能性のある森下龍矢とは6月のエルサルバドル代表戦の後半から一度プレーしているが、まだまだコンビの成熟度は足りない。町田浩樹に至っては全く未知で、周囲との関係性を構築するところからスタートしなければいけない。
そういった周囲との関係性ができていないのは中村にとってのマイナス面だが、三笘にも代表キャリアのスタートはあった。彼は初キャップだった2021年11月のオマーン代表戦から凄まじい違いと存在感を示し、ゴールに直結する仕事を繰り返したことで、現在のような盤石の地位を勝ち得たのだ。