試合前に喜田拓也が相棒エドゥアルドに宣言したこととは
「とにかくクリーンシートにこだわっていたし、純くん(一森)も助けてくれた。最後のブロックのところも、自分は試合前にエドゥ(エドゥアルド)に『死ぬ気で守るから』と宣言していたので、その気持ちが出たというか、みんなの気持ちが乗り移ったプレーだったと思っています」
公式戦でのクリーンシートはスコアレスドローだった8月6日の浦和レッズとのリーグ戦まで、完封勝利は6月24日のサンフレッチェ広島とのリーグ戦までそれぞれさかのぼる。ホームでの完封勝利に限れば、5月28日のアビスパ福岡とのリーグ戦が最後になっていた。
昨シーズンの王者らしくない戦いが続いていたからこそ、追い詰められた状況で、ホームのファン・サポーターに魂を見せる必要があった。その証が試合終了を告げる笛とともに数人の選手がピッチに倒れこんだ光景。最終ラインからチームを鼓舞し続けた喜田も心を震わせている。
「この苦しい状況打破していくのは自分たちしかいないし、誰も助けてくれるわけでもない。自分たちの力で乗り越えていこうと試合前にみんなで確認してゲーム入ったなかで、文字通り気持ちが出ていたと思うし、一人ひとりが責任を持ってマリノスを上に持っていきたい、という思いは表現できたと思う。みんな力を出し切って走っていたし、戦っていた。それを何とか引き出そうとずっとやってきたので」
もっとも、喜田の戦いはまだ終わっていなかった。逆転での準決勝進出の余韻が色濃く残るなかで、90分間を通じて出た課題をエドゥアルドと話し合っている。状況によっては、週末から再開されるリーグ戦でもコンビが継続されるかもしれないからだ。目を細めながらエドゥアルドが言う。