「横浜F・マリノスのスピリットを見せる責任がある」
「決してジタバタせずに、自分のような選手がどっしり構えることでチームを動揺させない、というのをずっと意識していた。任されたポジションは後ろ(のセンターバック)でしたけど、チームの状況も相まって、自分がマリノスのスピリットを見せる責任があるというか、そういうタイミングだと思った。なので、みんなの背中を押して、どんどん、どんどんアグレッシブに勇気を持って前へ行かせたかった。そういった意味では、みんながよく体現できていたと思っています」
ルヴァンカップは今シーズンから、準々決勝および準決勝でアウェイゴール方式が廃止された。第1戦を1点差で落としているマリノスが逆転で準決勝へ進むためには、90分間で最低でも2点差をつけて勝利しなければいけない。キックオフ直後からマリノスの魂がほとばしり続けた。
開始わずか3分にFW水沼宏太がゴールネットを揺らし、雄叫びをあげた。しかし、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が介入した末に水沼のオフサイドで得点は取り消された。それでも攻め続けたマリノスは32分に、水沼が正真正銘のゴールをゲット。2戦合計で3-3の振り出しに戻した。
前半アディショナルタイムには、FWアンデルソン・ロペスがゴールを決めてスタンドを熱狂させる。しかし、再びVARが介入。飯田淳平主審によるオン・フィールド・レビュー(OFR)の結果、ラストパスを出した右サイドバックの村上悠緋のハンドが認められて再び取り消された。
それでも、後半開始早々の48分に、右サイドから水沼が送った鋭いグラウンダーのパスをロペスが合わせる。2戦合計スコアで4-3と逆転した2分後の50分には、夏に加入したMFナム・テヒがペナルティーエリアの外から左足を一閃。技ありの一撃を決めてさらにリードを広げた。
その後は再逆転を狙う札幌の攻撃を、全員が体を張ってシャットアウト。札幌がPKを獲得した84分のピンチは、FW大森真吾の一撃を守護神・一森純が横っ飛びでキャッチ。アディショナルタイムに放たれた決定的なシュートは、ゴールラインぎりぎりで喜田がブロックした。