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Jリーグ 1年前

「99.9%」井手口陽介だからこそできる要求。「不格好でも勝つ」アビスパ福岡の象徴【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

地元で切る再スタート



 昨年1月にスコットランドの名門セルティックへ完全移籍。2度目の海外挑戦を踏み出した井手口は、初先発を果たしたカップ戦で負傷してしまう。その後も怪我の連鎖に悩まされた影響で思うように出場機会を得られないまま、Jリーグが開幕する直前の2月に福岡へ期限付き移籍で加入した。

 日本への2度目のUターン移籍を決断した背景には、スコットランドの地からテレビ越しに見た、カタールワールドカップで番狂わせを演じ続けた森保ジャパンから受けた刺激もあった。まずは試合に出なければ何も始まらない。前述したように開幕直後に大怪我を負っても闘志は萎えなかった。

 むしろ望外に感じられたオファーとともに、再チャレンジの舞台を用意してくれた生まれ育った町のクラブ、福岡へ抱く感謝の思いが日に日に膨らんでくるのを井手口は感じていた。

 そして、復帰後に右肩上がりで増えていく出場時間に比例するように、井手口のコンディションも心身両面で高まってきている。リーグ戦でチーム最長の2258分のプレー時間を誇る、前寛之と形成するダブルボランチのコンビネーションもどんどん上がっているとFC東京戦後に語っている。

「復帰してからヒロくん(前)とずっと一緒にやっているなかで、ヒロくんがやりたいこと、というのもだんだんわかってきている。やりやすさというのも出てきているので、もっともっとゴールにつながるようなプレーを、2人の関係のなかで増やしていきたいと思っています」

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