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Jリーグ 1年前

サンフレッチェ広島11番が求める「必然性」。満田誠が新戦力と融合するには【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「あれ止められたらもうしょうがない」



 この日の広島は野津田岳人が出場停止で、東俊希や越道草太も欠場。戦力的にやや厳しい状況もあって、満田は川村拓夢とボランチに入った。スキッベ監督としては、前節・川崎戦でいきなり新天地初ゴールを飾ったマルコス・ジュニオールと夏の新戦力・加藤陸次樹の2シャドーがある程度機能するという判断もあって、満田を一列下げたのだろう。

 そういった事情もあり、彼は組み立てを重視。攻撃時は川村と縦関係を形成しながら、ゴールを強く意識したパスを何本も供給。リスタートのキッカーも含めて、彼がチーム全体を動かしている印象が強かった。

 背番号11の前半最大の見せ場となったのが、20分の決定機だ。左からのスローインをソティリウが受け、落としたところにペナルティエリア外から飛び込み、右足を一閃。強烈なシュートをお見舞いした。これは惜しくも柏守護神・松本健太の好セーブに阻まれたが、昨季J1・9ゴールのアタッカーらしいパンチ力が前面に出ていた。

「DFが目の前に立っていたんで、正直、自分はそこに蹴ることしかできなかった。あれ止められたらもうしょうがないかな」と本人は振り返る。長い離脱からの復帰直後とは思えない強度と勢いを感じさせた。

 その後もソティリウに出した長いスルーパス、左の志知孝明の攻撃参加を後押ししたサイドチェンジなど、要所で攻撃にアクセントを加えていた。この一挙手一投足には柏守備陣もかなり手を焼いたことだろう。

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