最下位に沈むチームの現実
金曜夜のゲームに敗れたことで、土曜日に試合が予定されている横浜FCと柏レイソルに突き放される可能性もある。最下位に沈む湘南にとっては、何よりも結果が欲しいはずだが、思うように勝ち点を積み上げられていない。
チームとして狙いをもって戦うときは、確実にクオリティを出せている。浦和戦の序盤のように、やりたいことが明確に出せているときは、どんな相手であっても互角以上の戦いに持ち込める。
後半は浦和が小泉佳穂を投入してビルドアップを改善し、ロングボールを使いながら湘南陣内に押し込む時間が増えていった。失点シーンは完全に崩されたという場面ではなかったが、1つのミスでやられてしまうというのは今季の苦戦を象徴しているともいえる。
湘南が僅差で落とす試合の多くで共通するのは、90分の中で対応されたときの二の矢、三の矢がないことだ。相手のストロングポイントを出させないよう、ウィークポイントを突けるように湘南は試合に臨むが、相手も当然それを裏返すことができるように修正してくる。相手のいるスポーツである以上、対策合戦の中でどれだけ上回るかが勝敗につながる。
戦力差があまりないJリーグで勝つチームに共通するのは、悪い流れの時間帯を耐える我慢強さと、そこからの修正力の高さ。それはそっくりそのまま今季の湘南の課題と言い換えることもできる。
(取材・文:加藤健一)
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