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アーセナルの“癖”が招いた冨安健洋の退場。バラバラの判断基準で潰されたチャンス【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

2枚目はどうだったのか?



 しかし、2枚目に関しては微妙だと言わざるを得ない。

 68分、冨安はロングボールに抜け出そうとしたアイェウを倒してしまい、2枚目のイエローカードを提示された。その際、主審にユニフォームを引っ張っていたというジェスチャーを示されている。

 しかし、スロー映像で見てみると、冨安はユニフォームを強く引っ張っているわけでもないし、強く押しているわけでもない。ゴールに繋がる可能性も高くはなく、警告を受けるほど、悪質なファウルには思えなかった。

 冨安が1枚貰っていることを知っていたアイェウの巧さと言えばそれまでだが、最も問題だったのはその後の判定基準がバラバラだったことだ。

 たとえば76分の場面。エディ・エンケティアがドリブルで持ち運びカウンターが発動すると、敵陣に侵入したところでジェフェルソン・レルマに後ろから手をかけられて転倒した。しかし、主審はレルマにカードを提示しなかった。

 51分には、ターンしようとしたブカヨ・サカをアイェウが抱きつくようにして止めたが、ここでもカードは出なかった。上記したレルマのプレー同様、いずれも冨安よりも明確なファウルだったにもかかわらず、なぜ警告をしなかったのか疑問が残る。

 遅延行為が余計だったとはいえ、冨安はアピールのチャンスを潰された。チームが勝利したことは不幸中の幸いだが、なんともついてない結果だ。

(文:小澤祐作)

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