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Jリーグ 1年前

現在進行形で遂げる成長。横浜F・マリノスを勝利に導いた渡辺皓太の意識の変化とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

渡辺皓太の意識の変化と成長

渡辺皓太と横浜F・マリノスのチームメイト
【写真:Getty Images】



 小学生年代のジュニアから東京ヴェルディの下部組織で育った渡辺は、2種登録された2016シーズンをへて2017シーズンから正式にトップチームへ昇格。3年目の2019シーズン途中には、新たに就任した永井秀樹監督のもとで、20歳の若さながらキャプテンに指名された。

 だからこそ、キャプテン抜擢から1か月もたたない2019年8月に発表された、マリノスへの完全移籍はサッカー界を少なからず驚かせた。このシーズンのマリノスは15年ぶりのリーグ優勝を達成したが、渡辺は出場9試合、プレー時間258分、無得点とポジション争いに加われなかった。

 続く2020シーズンもなかなか上向かず、出場資格があった2021年夏の東京五輪に臨んだU-24日本代表メンバー入りも逃した。それでも前述したように、時間の経過とともに「好きになっている」というマリノスで爪痕を残したいと念じながら、積み重ねてきた努力の跡がようやく花開いてくる。

 身長165cm体重66kgの小さな体でピッチ上を軽やかに動き回り、それでいて相手とのボディコンタクトも互角に対峙する。ボール奪取術にも長け、モードを「守」から「攻」に切り替えた後は長短のパスやドリブル、味方とのコンビネーションを駆使しながらチャンスに絡んでいく。

 マリノスの同じポジションにはパリ五輪世代のホープ、21歳の藤田譲瑠チマが2022シーズンに徳島ヴォルティスから加入した。しかし、昨シーズン途中から成長曲線を右肩上がりに転じさせた渡辺の牙城を崩せないまま、さらなる成長を期して今夏にベルギーのシントトロイデンへ移籍した。

 FC東京戦後に残した渡辺のコメントからも、成長を導く目線の高さが伝わってきた。それは後半アディショナルタイムの劇的な決勝ゴールにもつながった、意識の変化でもあった。

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