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Jリーグ 1年前

現在進行形で遂げる成長。横浜F・マリノスを勝利に導いた渡辺皓太の意識の変化とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

19年ぶり連覇へ、増す渡辺皓太の重要性



「試合前に『今日、決める』と言ったけど、本当にゴールを見せられるとは思っていませんでした。いつも以上に家族からパワーをもらって、枠のなかに飛んでくれたと思っています。(ゴールパフォーマンスは)ずっとやりたかったんですけど、ようやくできて本当によかったです」

 余談になるが、キスを捧げたボールと自宅へ持ち帰ったボールは同じものではない。後者はまさにゴールに叩き込んだもので、試合終了後に挨拶をかわした時点で渡辺がすでに大事に抱えていた。

 劇的な幕切れとともに勝ち点を「50」に伸ばしたマリノスは、キックオフ前の時点で「47」で並び、得失点差で後塵を拝していたヴィッセル神戸が引き分けたため、2ポイント差をつけて単独首位に返り咲いた。連覇へ向けた戦いを攻守両面で支えているのが、全24試合に出場している渡辺となる。

 しかも、途中出場したのは、過密日程となるゴールデンウイーク中の5月3日に敵地・駅前不動産スタジアムで行われたサガン鳥栖戦だけ。1928分を数えているプレー時間は、FWアンデルソン・ロペスの2016分に次ぐチーム2位の数字であり、つまりは日本人選手に限ればトップとなる。

 3年ぶりのリーグ優勝を果たした昨シーズンも、後半戦ではボランチのファーストチョイスだった。しかし、トータルの成績は出場24試合、プレー時間1499分だった。試合数で並び、プレー時間で大きく上回っている数字は、イコール、現在進行形で渡辺が遂げている成長の跡でもある。

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