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セリエA 1年前

鎌田大地、初陣の評価は? すでにラツィオを理解? 隠れたファインプレーとは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

鎌田大地の今後の先発起用は固い?



 シュートやキーパス、ドリブルでの打開など、インパクトこそ残せなかったが、サッリ・サッカーを学んでいる段階ということを考えれば、できることはやったというのがレッチェ戦の評価になるだろう。交代で入ったベシーノが低調なパフォーマンスに終わっているため、今後しばらく先発は固いかもしれない。

 その中で課題となるのは守備だろう。サッリのチームは攻撃面に目が行きがちだが、実はディフェンスもかなり整備されている。フィジカルに優れていたミリンコビッチ=サビッチと同レベルになる必要はないが、鎌田はインサイドハーフを主戦場とする以上、フィルター役としてサッリのリクエストに応えなければならない。同指揮官がナポリ時代にアラン、チェルシー時代にエンゴロ・カンテ、そしてラツィオでミリンコビッチ=サビッチを重宝してきた事実は、鎌田にとってまったく無関係ではない。

 鎌田は守備を苦手としているわけではなく、ハードワークも厭わない。しかし、“精度”に関してはより高めていく必要があるだろう。レッチェ戦ではチーム最多タイとなるタックル数7回をマークしたが、ファウル数はチームダントツの4回となっている(データサイト『Who Scored』を参照)。その中には、危険な自陣深い位置でのものもあった。すべてを個人の責任とするのは酷だが、良い形でボールを奪いカウンターに繋げるシーンは増やしていきたいところである。

 先述の通り、サッリのチームは攻守に約束事が多く、各ポジションの選手に多くの能力が求められている。フランクフルト時代に培ったスキルをさらに伸ばしていくという意味で、ラツィオは最適な場所だ。その中で結果も残さなければならないのはハードだが、メンタルの強い鎌田なら乗り越えられるはずだ。

(文:小澤祐作)

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