三笘薫のゴラッソが生まれた理由
ブライトンはキックオフ直後からウルブスの連動したプレスに苦しめられた。
ギャリー・オニール監督が率いるチームは、両CBのルイス・ダンクとアダム・ウェブスターに対して強度が高いプレッシャーをかけ、後ろの選手たちもそれに合わせてパスコースを限定することで、何度かショートカウンターからチャンスを演出した。
ブライトンが先制をされてもおかしくなかった展開で、違いを作ったのが三笘である。15分に左サイドのタッチライン際でボールを受けると、ゴール方向に向かって一直線にドリブルをスタート。最初の加速で相手の右SBネウソン・セメドを振り払い、追走するジョアン・ゴメスも寄せ付けなかった。最後は寄せてきたマックス・キルマンを見事なタッチでかわしてゴールに流し込んでいる。
完全に日本代表FWが“個”の能力で相手を上回った。三笘がここまで個人技に頼ったゴールをプレミアリーグで決めたのは初めてかもしれない。その理由は過去の成功体験があったからだと考える。
今節、三笘と対峙したセメドは、昨季の11月の試合で日本代表FWに散々やられている。空中戦で競り負けてプレミアリーグ初ゴールを献上しただけでなく、1対1の守備対応で後手を踏み続けた結果、後ろから押し倒してしまい、前半のうちに一発退場の処分を受けた。
あくまでも憶測でしかないが、三笘にとっては昨季の良いイメージがあった相手だったからこそ、普段より思い切ったプレーを選択したのかもしれない。