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久保建英 1年前

勝てないソシエダに問われる久保建英の使い方。ウイング頼み、本質的な問題は?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

支配できない中盤→久保建英頼みに



 それは追加点を奪えないということだ。ジローナ戦もセルタ戦も、早い時間で先制しながら2点目が遠かった。

 現在のソシエダの強みは両サイド、久保とバレネチェアだ。しかし、それしかない。セルタ戦では、1-0とリードした後、相手が5バックに変更したことでサイドからの攻略が難しくなると、何もできなくなっていた。

 ダビド・シルバを失った今、ソシエダはバイタルエリアを支配できなくなっている。4-3-3という布陣の影響もあるが、CFのカルロス・フェルナンデスはボールを収められないし、マルティン・スビメンディはゲームメイクに長けるが高い位置で仕事をする選手ではない。ブライス・メンデスはシルバを意識しすぎているのか、無理なコースにパスを放り込み引っ掛けることが多かった。

 B・メンデスの本来の強みは、味方と連係しながらボックス内に入り込んでいくプレーで、昨季ゴールを量産していた時期はこの特徴を存分に発揮していた。しかし、シルバに加えミケル・メリーノもいない現在は、得策ではないが、彼が中央でチャンスメーカーとして振る舞うしかない。同じインサイドハーフのベニャト・トゥリエンテスはそのようなタイプではない。

 実際にB・メンデスのアクションは減っており、ジローナ戦、セルタ戦でボックス内からシュートを放ったのはわずか1本に留まっている。ボックス外からのミドルシュートがまったく脅威になっていないわけではないが、ポジティブなデータではないのは明らかだ。

 メリーノの離脱がどこまで長引くか不透明な中、サイド頼みの攻撃を解消するならば、中盤ダイアモンド型の4-4-2に戻すのは一手だろう。久保をトップ下に配置し、ある程度自由にプレーさせ、バイタルエリアのクオリティーを高められれば、B・メンデスの負担も減り、彼は強みを取り戻せるはずだ。

 もちろん理想通りにいかないのがサッカーであり、なにしろまだ2試合を終えたばかりだ。しかし、重要な戦力を失っている現在、昨季後半の戦い方をそのまま継続するのは今のところマイナスだと言わざるを得ない。

(文:小澤祐作)

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