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久保建英 1年前

勝てないソシエダに問われる久保建英の使い方。ウイング頼み、本質的な問題は?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

レアル・ソシエダが早くも露呈した昨季からの癖



 若きアタッカー2人のプレーで先制に成功したソシエダは、長い時間に渡りリードを保った。そして迎えた78分、アルグアシル監督は一気に3人を入れ替え、フォーメーションを5-2-3に変更し、試合を締めにかかった。

 ところが、終盤にセルタに押し込まれると、アディショナルタイムにオスカル・ミンゲサにゴールを献上。ジローナ戦同様に、勝ち点2を取りこぼした。

 逃げきれなかった原因を1つに絞ることはできない。しかし、大きな原因を挙げるとすれば、やはり途中交代した選手たちのクオリティーだろう。

 5バックにしたソシエダは、前線にオヤルサバル、ウマル・サディク、モハメド=アリ・ショーの3人を並べていた。中盤は薄くなるが、低い位置で粘り強く守りながら一気にカウンターで試合を決定づける、という狙いだろう。

 だが、サディク、アリ・ショーはアピールのためか独善的なプレーが多く、ボールを持っても簡単にひっかかる。エースのオヤルサバルは心配になるほどシンプルなミスが多いなど、タメを作ることさえできず、結果として終盤のソシエダは押し込まれるだけだった。

 失点シーンの直前にも、オヤルサバル、サディクと立て続けに不用意な形でボールを失っていた。そこからセルタの攻撃がスタートし、CKを連続して与えたことで最後はミンゲサのゴールに繋げられている。

 残り約20分となったところで選手を一気に変えるベンチワークは、アルグアシル監督の癖とも言える。そこで試合をクローズできず勝ち点を落としたケースは、昨季も何度かあった。フレッシュな選手を入れて強度を保つ狙いが、変わりすぎて連係がとれず、逆に歯車を狂わせているのである。

 今季のラ・リーガは、カタールワールドカップのようにATを厳格にとることを決めている。そのため、5分以上の追加タイムはもはや当たり前。セルタ戦も後半のATは7分だった。だからこそ、選手交代枠はある程度残しておいた方がいいだろう。80分までにすべて使い切るのは、現代サッカーの中ではリスクになりかねない。主力選手の怪我や疲労を考慮してこともあるはずだが、アルグアシル監督には我慢も求められると言えそうだ。

 ただ、現在のソシエダの本質的問題は、また別のところにある。

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