4位:チェルシー
【写真:Getty Images】
監督:マウリシオ・ポチェッティーノ(1年目)
22/23リーグ戦成績:11勝11分16敗(12位)
新オーナーを迎えた昨季は21世紀以降でワーストの12位に終わった。その理由はいくつか考えられる。中でも大量補強による「スカッドの肥大化」と「旧体制で獲得した選手と現体制で獲得した選手の待遇の違い」が選手たちに与えた悪影響は大きく、マウリシオ・ポチェッティーノを新監督に招聘した今夏に戦力のスリム化を図った。
セサル・アスピリクエタやメイソン・マウント、エンゴロ・カンテ、カイ・ハフェルツ、エドゥアール・メンディらトーマス・トゥヘル体制で絶対的な主力だった選手たちを大量放出。その一方でモイセス・カイセドやニコラス・ジャクソン、クリストファー・エンクンク、アクセル・ディサシら即戦力級の選手を多く獲得することに成功している。
プレシーズンや開幕戦をみる限り、スタメン級の選手たちの実力は間違いなく、トップ4や優勝争いにも割って入れるクオリティを持っている。しかし、懸念点も多く、特に怪我が多い選手を多く抱えている点は大きな不安だと言えるだろう。開幕時点でウェズレイ・フォファナとエンクンクの長期離脱が決定しており、もう間もなく復帰する可能性が高いとはいえ、ブノワ・バディアシルやアルマンド・ブロヤらも戦列を離れている。現在は離脱していないが主将のリース・ジェームズや副主将のベン・チルウェル、ノニ・マドゥエケ、そして加入が濃厚のロメオ・ラヴィアも怪我が多い選手であり、彼らが離脱をした際の戦力ダウンは否めない。
そしてもう一つの不安がGKだ。今夏にケパ・アリサバラガを放出し、ブライトンからロベルト・サンチェスを獲得したが、成長の余地があるとはいえこのスペイン代表GKはハイボール処理やポジショニングに雑な部分があり、イージーなミスを犯すことも少なくない。かつてチェルシーがリーグ優勝をしていた時にはペトル・チェフやティボー・クルトワといった世界的なGKがゴールマウスを守り、数々の理不尽なセーブでチームを救っていた。ラストピースとして、彼らのようなGKを獲得することができれば、タイトル争いの可能性も十分にあるだろう。