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久保建英 1年前

チャンスはほぼ久保建英から。レアル・ソシエダが痛感したシルバ引退の影響【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

躍動する久保建英。収穫だったのは…



 右ウィングで先発した久保の見せ場はすぐにやってきた。先述の通り、開始わずか5分でゴールネットを揺らして見せたのだ。

 フリーで打つことができたとはいえ、シュート自体は簡単ではなかった。アイエンからの鋭いボールは小刻みにバウンドしており、力めばふかす、逆に抑えすぎるとボテボテのシュートになる可能性があった。しかし久保は、うまくボールを抑え、スピードの伴ったグラウンダーのシュートを狙ったコースに突き刺している。これだけでも、技術力の高さがわかるだろう。

 これでさらに自信を深めたか、久保は右サイドで躍動。ドリブルはキレキレで、ほとんどボールを奪われない。カットインからのシュートという積極性も見せ、結果的に両チーム最多のフィニッシュを記録(3本)することになった。贔屓目なしに、久保がピッチに立っている間、ソシエダのチャンスはほとんどが久保から生まれたものだった。

 そしてこの試合で収穫だったのは、右サイドバックに入ったアマリ・トラオレとの連係だ。マリ代表DFは今季レンヌから加入し、ジローナ戦でラ・リーガデビューを果たした選手である。

 昨季右SBに入ることが多かったアンドニ・ゴロサベル(現アラベス)は久保を後方からサポートすることに徹していたため、追い越す動きをほとんど見せなかったが、トラオレはそうではなく、馬力のあるオーバーラップを何度か披露している。それを囮に久保が1対1を仕掛けることもあれば、トラオレのスピードを殺さないまま久保が生かすこともあった。久保がサイドでの1対2を強いられることが多かった昨季に比べると、これは大きな変化だ。

 トラオレは先に足を出す癖があるなど守備面にやや難があるものの、攻撃面ではそれなりのクオリティーを見せた。これから久保との関係性を深めていければ、ソシエダの右サイドはかなり強固なものとなるのではないだろうか。

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