「それが今後の自分たちの成長につながっていく」
とはいえ、そこからも浦和の猛攻を耐え忍ぶ時間が続き、結局、ギアを上げられたのは終盤10~15分程度だけ。アディショナルタイムに途中出場の水沼宏太から植中朝日、宮市へとつながったチャンスは非常に惜しかったが、マリノスは最後までゴールを割れず、勝ち点1を確保するのが精一杯。シュート数も浦和の12本に対し、わずか5本と、不完全燃焼感の残るJ1再開ゲームになってしまった。
「今日は本当に難しいゲームだった。浦和もいいサッカーをしていたし、立ち位置や戦術もすごくよかった。ウチの方が多く決定機を作られた」と、急遽ピッチに立つことになった飯倉は試合内容が劣勢だったことを素直に認めていた。
そのうえで「今日みたいにうまく決定機を作れない時にどうやってフレキシブルにやっていくか。それが今後の自分たちの成長につながっていくんじゃないかと感じます。僕らのサッカーに対策を練ってくるチームが増える中で、それが一番の打開策だと思うから」と新たな問題提起をしたのである。
7月12日の天皇杯3回戦・町田ゼルビア戦で1-4の大敗を喫したときが象徴的だったが、GKから丁寧にボールをつないでビルドアップをしていくマリノスに対し、激しいプレスをかけ、攻撃の芽を摘もうと相手が策を講じてくるのはある意味、当然の流れと言っていい。得点源であるアンデルソン・ロペスと西村のところにボールを入れさせないタイトな守りを見せてくる浦和のようなチームもこの先、増えていくだろう。
だからこそ、マリノスは選手個々の応用力を高めていくしかない…。それは他のメンバーも賛同している点である。