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Jリーグ 1年前

変えなかったけど変わった。湘南ベルマーレが1つになった瞬間。ロッカーで1人祈った山田直輝の思い【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

湘南ベルマーレは何が変わったのか



 ビルドアップ時にウイングバックがFWと並び、インサイドハーフが低い位置でサイドに開く。ウイングバックが積極的に深さを取り、2トップは裏を取る動きと降りて起点になる動きを繰り返す。

 配置や動きの部分でこれまでとの違いはいくつか見られたが、基本的なコンセプトは2年前に山口智監督がコーチから昇格したときから変わらない。ボールを持っているかどうかにかかわらず、最適なポジションを取りながら主導権を握りたいというところはぶれない。

 それでも結果がついてこないことに対して、焦りがないはずがない。それでも、湘南はやり方を変えなかった。それでも、湘南は変わった。その変化こそが勝利に結びついたのだろう。

 1つは新加入選手の存在。広島戦では3人の新加入選手が先発起用されている。ディサロ燦シルヴァーノ(レレ)は大学時代の盟友・大橋祐紀と2トップを組み、ポストワークや裏に抜けるおとりのランニングなど、献身的なプレーをベンチに下がる65分まで続けた。大橋の決勝ゴールは、レレが左サイドで起点を作ったことで生まれている。

 キム・ミンテは3バックの中央で、屈強な相手FWめがけて放り込まれるボールを跳ね返し続けた。劣勢な状況でも味方を鼓舞し続け、失点が続いていた試合終盤でも集中力を切らさず、チームを今季初の完封勝利に導いている。田中聡は120分プレーした天皇杯に続いてフル出場。持ち前のデュエルの強さは健在で、周りを動かすオーガナイズや、ボールを運ぶと言った部分でも特長を出していた。

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