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「全然鹿島アントラーズで出られなくて」。悔しさをぶつけたキム・ミンテが湘南ベルマーレを変える

text by 加藤健一 photo by Getty Images

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サンフレッチェ広島戦で新天地デビューした湘南ベルマーレDFキム・ミンテ
【写真:Getty Images】



湘南ベルマーレで躍動したキム・ミンテ


 明治安田生命J1リーグ第22節、湘南ベルマーレ対サンフレッチェ広島が5日に行われ、1-0で湘南が勝利した。この夏に加入したばかりのDFキム・ミンテは、3バックの中央で相手の攻撃を跳ね返し続けた。その結果、湘南は実に4か月、16試合ぶりとなる勝利を手にすることができた。



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 満田誠が離脱、森島司が移籍したサンフレッチェ広島は、ピエロス・ソティリウと加藤陸次樹の2トップにシンプルにボールを当てて攻撃の起点を作ろうとしていた。シュート本数は湘南の倍以上となる13本を記録したが、最後のところで湘南は集中力を切らさなかった。

「あと10分のときから、(アビスパ)福岡戦を繰り返さないぞという気持ちで、(周りに)声をかけていた」

 湘南の選手たちの頭の片隅には、福岡戦の苦い記憶があった。中断前ラストゲームとなった7月16日の福岡戦は、0-0のまま試合終盤に突入したが、86分にセットプレーから失点して勝ち点を取りこぼしている。規定により選手登録ができず、この試合に出場できなかったキム・ミンテは、それを繰り返すまいと身体を張り、声を出し続けた。広島戦の終了間際には同胞のGKソン・ボムグンがチームを救うファインセーブを見せ、今季リーグ戦初のクリーンシート(無失点)で勝利を掴み取った。

「ボムグンの最後はナイスセーブでしたが、舘(幸希)だったり、(大野)和成も足をつりながら最後まで競り勝っていた。全員がああやって頑張れば(失点)ゼロに抑えられる自信はある」

 湘南にとっては今季の命運を左右するゲームになったが、まもなく30歳になるこの韓国人DFのキャリアにとっても重要な試合だった。今季は鹿島アントラーズで出番を得られず、リーグ戦の出場はなかった。忸怩たる思いを胸に、低迷する湘南へ期限付き移籍でやってきた。

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