1位：いわきFC

監督交代前リーグ戦成績：20試合4勝4分け12敗（勝ち点16）
監督交代後リーグ戦成績：8試合4勝3分け1敗（勝ち点15）
1試合平均勝ち点：0.8→1.88

　監督解任ブーストが見事にハマったのが、J2のいわきFCだ。

　いわきは今季がクラブ史上初のJ2挑戦である。昨季J3でチームを優勝に導いた村主博正監督の下で新しい挑戦を始めた。第4節ベガルタ仙台戦と第5節徳島ヴォルティス戦では連勝を飾り、悪くないスタートを切ったかに思われたが、次第に勝ち点を稼げなくなり、第11節の栃木SC戦からは5連敗。その間、清水エスパルスには1-9という屈辱的な敗戦を喫した。

　降格圏に低迷していたいわきは、6月14日に監督交代を決断。今年からゼネラルマネージャーを務めていた田村雄三が監督に就任すると状況が好転し、第21節のジェフユナイテッド千葉戦から7試合負けなしという“ブースト”を見せた。第28節のジュビロ磐田戦で敗れたことで無敗は止まったものの、順位は18位まで上昇している。

　田村監督は、2016年からいわきで強化やスカウトを担当。2017年〜21年に監督を務めたものの、2022年はライセンスの関係で退任してスポーツディレクターに就任していた。その傍ら、Jリーグのクラブを率いるのに必要なS級ライセンスを取得して監督復帰の準備を整えていた。クラブを危機から救うために戻り、見事に結果を残しているところだ。