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Jリーグ 1年前

横浜F・マリノスに学ぶ親善試合の活用法。海外クラブの“金儲け”を役立てるには【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

来日しないエムバペと排除されたメディア



 例えば、セルティックの横浜F・マリノスとガンバ大阪との親善試合では、入場者数が33,000人に満たなかったため、主催者は内心がっかりしていた。ただ、新シーズンに向けての最初の1歩で、フィットしていない選手たちを見るために、サポーターが割高な金額を支払うことにためらったとしても、特段驚くことはない。ただ、前田大然は別だ。彼は肉体的に常に万全の状態をキープしていて、牛乳が1パック必要なときでさえ、店までスプリントしていくようなタイプだから。

 そして、パリ・サンジェルマンの遠征メンバーからキリアン・エムバペが外れるという発表が来日直前にあった。

 フランス代表のスーパースター、キリアン・エムバペとレアル・マドリードの我慢ならない噂話が、移籍市場でまたも賑わせていることを考えれば、これは予想できたことかもしれない。それでも、エムバペが遠征のプロモーション・コンテンツで前面に出ていたことからも、アル・ナスル、セレッソ大阪、インテル・ミラノとの3連戦で売られたチケットの大部分は、エムバペを間近で見られることを期待して購入されたと考えていいだろう。

 地元メディアにとっても、エムバペを間近で見ることができるチャンスはあまりない。時間は限られており、最近行われたあるイベントでは、欧州からのゲストがスタジアムの外に連れ出される前に、主催者である放送局以外は信じられないようなソフトな質問を2、3することさえできなかった。国内メディアもまた、チームを取材するために遠征してきた記者のために用意されたインタビューから定期的に排除されている。その代わりとして、「素晴らしい雰囲気」というお決まりの文句を使うしか方法は残されていないのだ。

 しかし、今年の試合で興味深かったのは、セルティックとシティと対戦した横浜F・マリノスの振舞いだった。

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