相棒が語る鈴木優磨の凄さ
「みなさんも見ても分かる通り、サッカーは戦術も大事だけど、見ているお客さんの心が震える試合っていうのは俺らの戦う気持ちや魂が載っているかどうか。やっぱり相当ストレスがたまっていたので、それをぶつけたかった」
背番号40はチーム全体の士気を高め、先陣切って攻撃のリズムを改善していった。その流れを決定づけたのが、前半23分の同点弾。甲府戦でPKを失敗し、岩政監督と面談したという樋口の正確な左CKがゴール前に飛び、確実に仕留めたのは鈴木優磨。マークについていた松木が全く反応できないくらい打点の高い、文句なしのヘッド弾だった。
彼にとってはリーグ6試合ぶりの今季9点目。日本人選手では14ゴールの大迫勇也に次ぐ2番目に浮上した。
「優磨は見ての通り、スゴい男。チームが窮地に立たされた時に点を取って結果まで出してくれる。僕は2度、彼に助けられた」と岩政監督は今季2度目の危機を救ってくれた教え子に心から感謝していた。
ここからの鹿島は一気にペースアップ。鈴木優磨は要所要所でボールを受けてタメを作ったり、攻撃のリズムを変化させたりと、大半のチャンスに絡む圧巻パフォーマンスを披露する。6月24日のガンバ大阪戦から欠場していた垣田が戻ってきたこともあり、より躍動感も見て取れた。
「優磨君は足元で受けたり、技術も高いですし、さばけたりする。そういう中で自分が優磨君の分をうまく守備で走ったりだとか、裏へ走ってスペースを空けたりだとか、そういう関係を作れている。自分が生きて優磨君も生きる術がお互いに分かっている」
鈴木優磨と同じアカデミー出身の背番号37も前向きに語っていたが、2人が組むと鹿島の攻めは俄然、迫力が出てくる。そこも大きかった。