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天皇杯3回戦、横浜F・マリノス対FC町田ゼルビアが12日に行われ、1-4で町田が勝利している。明治安田生命J1リーグで首位を走るマリノスは、同J2で首位の町田に成す術なく敗れている。なぜ下位カテゴリーの町田は勝利できたのか。マリノスを翻弄した町田の用意周到な対策に迫る。(取材・文:藤江直人)
横浜F・マリノスに3バックで挑んだFC町田ゼルビア
奇策に映ったシステム変更には、実は周到なシミュレーションから弾き出された罠が張り巡らされていた。
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昨シーズンのJ1リーグを制し、今シーズンも首位を走る横浜F・マリノスをホームの町田GIONスタジアムに迎えた天皇杯3回戦。4バックを基本システムとしてJ2リーグを戦い、下馬を覆す形で首位を独走してきたFC町田ゼルビアは、一転して3バックで大一番に臨んだ。
25試合を終えているリーグ戦で、町田は一度だけ3バックで前半のキックオフを迎えている。4月8日のブラウブリッツ秋田戦。右からチャン・ミンギュ、カルロス・グティエレス、池田樹雷人で最終ラインを形成した理由を、今シーズンから指揮を執る黒田剛監督はこう説明していた。
「最終ラインの裏へどんどんボールを入れて、押し込んでくる秋田さんのサッカーに対して、背の高い選手を入れようと考えて新しいチャレンジを選択しました」
最終ラインに高さと強さを求める黒田監督の要望もあり、全員が今シーズンから加入した3人のサイズはチャンが身長183cm・体重79kg、グティエレスが192cm・82kg、そして池田が186cm・82kgだった。試合は0-1で敗れ、8試合目にして今シーズン初黒星を喫した町田だったが、相手に決定機を作らせなかった点で黒田監督は及第点を与えていた。
そして、マリノス戦で採用された3バックは、町田で通算13シーズン目を迎えている38歳の大ベテラン、深津康太がチャンに代わった以外は同じ顔ぶれだった。深津のサイズも181cm・75kg。黒田監督は「ヘディングがかなり強い選手たちを配置した」と説明した上で、こうつけ加えている。