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Jリーグ 1年前

「甘さがある」横浜F・マリノスが感じた痛み。町田ゼルビアの戦略にハマった原因とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「どこかに甘さがある。自分を含めて本当に力が足りなかった」



 J2トップの気迫と闘争心がマリノスにとっての大きな脅威になった。3-4-2-1の基本布陣でマンマーク気味にハイプレスを仕掛けてきた町田に対し、マリノスは序盤から最終ラインからのビルドアップが停滞し、思うように攻めを組み立てられない。そして開始5分、町田はマリノスの木村卓斗から喜田に出たパスを大ケガから復活した宇野弾斗がカット。最前線のミッチェル・デュークが拾って、早々と先制点を奪うことに成功する。

 ここで立て直せていたら問題なかったのだが、マリノスはその後も町田の鋭い寄せに苦しみ続ける。前半17分に左サイドバック(SB)小池裕太が負傷交代を強いられたダメージも大きく、リズムを好転させられない。高い位置でボールを奪い、ショートカウンターからのシュートを矢継ぎ早に浴びせてくる相手を止めきれず、前半アディショナルタイムには布施谷翔に2点目を決められた。

 前半が終わってスコアは0-2で、シュート数も0対10。J1王者としては信じがたい45分間になってしまった。

「もう自分たちの技術不足。そこに尽きると思います。連続失点しないことを肝に銘じていましたけど、どこかに甘さがある。自分を含めて本当に力が足りなかった」とキャプテン・喜田が神妙な面持ちで言えば、水沼も「かなり徹底された守備を見せられたけど、相手としては守りやすかったんじゃないかと思う。リーグ戦ではあれだけ徹底して守ってくるチームがいなかったのもあったから、僕らが勝てていたのはある」と反省しきりだった。

 水沼が指摘したように、確かにJ1にはここまで凄まじいハイプレスを仕掛けてくる相手はいなかったかもしれない。それを承知で町田は気温31.4度の高温多湿の中、凄まじい運動量でボールを奪いにきたのだ。

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