RSB:セサル・アスピリクエタ(スペイン代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1989年8月28日
在籍期間:2012年夏~2023年夏
移籍金:880万ユーロ(約12.3億円)
クラブ通算成績:508試合17得点56アシスト
セサル・アスピリクエタのチェルシーでの活躍は、良い意味で想定外だっただろう。マルセイユで膝の前十字靭帯を断裂していたSBは、怪我の不安を払しょくするパフォーマンスを披露。クラブ生え抜きの主将ジョン・テリーが退団して以降はチームリーダーとなり、若手選手が多かったチェルシーを牽引した。
アスピリクエタはスピードやフィジカル能力など、目に見えた強力な武器がある選手ではない。それでも読みの鋭さと戦術理解度の高さで、あらゆる監督とシステムに順応。ジョゼ・モウリーニョ監督のもとでは左SBとして、アントニオ・コンテ監督もとでは3バックの右CBとして活躍し、本職の右SB以外のポジションでも結果を残した。
結果的にチェルシー在籍最終年となる2022/23シーズンは出場機会こそ減らしたが、ペトル・チェフが保持していた同クラブの外国人選手の歴代最多出場試合記録を更新した。そしてアトレティコ・マドリードへの移籍が発表されると、多くのチェルシーサポーターが感謝の言葉をSNS上に投稿。最後まで愛された選手だった。
LSB:アシュリー・コール(元イングランド代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1980年12月20日
在籍期間:2006年夏~2014年夏
移籍金:740万ユーロ(約10.4億円)
クラブ通算成績:338試合7得点38アシスト
アーセナルの下部組織出身のアシュリー・コールだが、引退後の現在はチェルシーのイメージの方が強いだろう。
06年夏にウィリアム・ギャラス+金銭のトレードでライバルクラブに移籍したコールは、加入後すぐにレギュラーに定着。4度のFAカップ優勝やクラブ史上初となるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝など数々のタイトル獲得に大きく貢献した。
抜群のスピードを活かしたプレーで攻守に躍動し、全盛期は「世界最高の左SB」と評価されるほど素晴らしいパフォーマンスを連発した。最後はジョゼ・モウリーニョ政権で、左SBへコンバートしたアスピリクエタにポジションを奪われるが、8シーズンもの間チェルシーの左サイドを支え続けた。これだけの選手を安価で獲得できたことは、チェルシーにとって最高の取引だった。