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日本代表 1年前

サッカー日本代表が怠った作業。対戦国側から見た「スタッツには出ない」古橋亨梧の貢献【スペイン人指導者の視点3】

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by Getty Images

サッカー日本代表が怠った「消す作業」



「ペルー戦ではカウンターを受けて最終ラインを押し下げられたときに、ゴール前のスペースを消すことができずに失点してしまった。試合では遠藤航が危険になり得るスペースを終始消す仕事を行っていたが、失点の場面ではピッチにいなかった。もちろん、遠藤の交代直後であったこと以外にも、4-0で大量リードしていた状況、試合終盤で全体的にインテンシティが下がりがちで集中力も切れやすい時間帯というさまざまな要素が影響しており、遠藤がいても失点していた可能性がある」

「ひょっとすると、危険なスペースをケアしていた遠藤がいなくなり、その役割がチームとして疎かになったから失点したのかもしれないが、原因をひとつに追究するのは難しい。そもそも、どのチームであっても簡単にできることではないが、あえて修正点を挙げるとすればスペースを消すという作業を怠った時間帯があったことになる」

 試合を通して危険になり得るスペースを終始消し続ける作業は、とてつもない集中力が必要で困難なプレーという前提で、それを修正点として挙げた。それには1点差など緊迫した試合を勝ち上がらなければならないワールドカップでは、命運を分けるプレーになることを知っているが故である。

 攻守にわたり各々の選手の距離感が良く、うまくスペースを分配できていたため、「ボールが動いて良いゲームだった」とアレックスは総評。9月に行われるドイツ代表戦とトルコ代表戦で、どこまでできるか楽しみだと、日本代表に期待を寄せていた。

(取材・文:川原宏樹)

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【了】

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