FW:フィリッポ・インザーギ(元イタリア代表)
生年月日:1973年8月9日
在籍期間:2001年夏~12年夏
移籍金:3615万ユーロ(約50.6億円)
クラブ通算成績:300試合126得点21アシスト
フィリッポ・インザーギは謎の多いストライカーだ。それでも、彼がミランの歴史に残るストライカーであることは間違いない。
インザーギは2001年夏にユベントスからやってきた。得点力の高さが最大の武器で、特にUEFAチャンピオンズリーグでは無類の勝負強さを発揮。55試合で29得点を挙げている。02/03シーズンは10ゴールを挙げてビッグイヤー獲得に貢献し、06/07シーズンは決勝のリバプール戦で2ゴールを記録してレジェンドになった。
ただ、インザーギのすごさを説明するのは難しい。とにかくオフサイドの網をかいくぐることに集中し、執念でゴールネットを揺らすFWで、足もとの技術はミランの標準レベルにも達していないだろう。
ヴィンチェンツォ・モンテッラはのちに「今でも彼がなぜあれだけゴールを決めたか説明できない。一つひとつの能力を分析しても、目をひくようなポイントはほとんどないんだ。ドリブルもうまいわけじゃないし、外からシュートできるわけじゃない。でも、粘りや根性といったところがすごかった」とインザーギについてコメント。誰にも説明できない能力があったからこそ、どの相手にとっても厄介だった。
FW:ズラタン・イブラヒモヴィッチ(元スウェーデン代表)
生年月日:1981年10月3日
在籍期間:2010年夏~12年夏、20年冬〜23年夏
移籍金:3000万ユーロ(約42億円)
クラブ通算成績:163試合93得点35アシスト
ズラタン・イブラヒモヴィッチはミランの伝説となってスパイクを脱いだレジェンドだ。
イブラヒモヴィッチはユベントスとインテルでタイトルを獲得したあと、バルセロナへ移籍。スペインではキャリアで唯一とも言える挫折を経験するが、そこに注目したミランが2010年夏に声をかけ、完全移籍を前提としたレンタルで迎えた。10/11シーズンはセリエA優勝に貢献。翌11/12シーズンはリーグ戦で28ゴールを挙げて得点王になり、パリ・サンジェルマンへ移籍している。
フランス、イングランド、アメリカ合衆国でのプレーを経験してキャリアの終わりに向かっていると思われたイブラヒモヴィッチだが、ロサンゼルス・ギャラクシーとの契約が満了した20年1月に38歳でミランに復帰した。
38歳のベテラン加入に対しては懐疑的な見方も少なくなかったが、すぐにパフォーマンスで周囲を納得させた。ただ、なによりも大きかったのは精神面。有望株を育てるというクラブの方針もあって未熟な才能が多かったミランだが、経験豊富で全ての責任を背負う男が現れたことで拠り所ができて一致団結。それまでバラバラだったチームのまとめ役となり、これが2021/22シーズンのセリエA優勝につながっていった。
2020年にどん底だったチームの立て直しに尽力したイブラヒモヴィッチ。ファンにとっては神のような存在かもしれない。