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日本代表 1年前

対戦国側から読み解くサッカー日本代表の意図。ビルドアップが「うまく機能していた証拠」とは?【スペイン人指導者の視点2】

シリーズ:スペイン人指導者の視点 text by 川原宏樹 photo by Getty Images

三笘薫と伊東純也のポジショニングとスペース配分


【写真:Getty Images】



 試合後の会見でエルサルバドルのウーゴ・ペレス監督は、アレックスのアドバイスどおり前線から積極的にプレッシングする戦略だったことを明かした。しかし、実際には試合開始早々に退場者を出して数的不利な状況に陥ってしまったため、戦前のプランを実行できなかったとも語っていた。

 そのように数的優位な状況ではパスがつながりやすくなるのは当たり前でビルドアップについては評価しづらかったため、のちのペルー戦を中心に日本代表のビルドアップについて改めて分析してもらった。

 6得点を挙げたエルサルバドル戦に続き、4-1でペルー戦にも勝利した日本代表の試合内容は、「ベストなゲームだった」とアレックスは評価している。特に、スペースの分配と各選手の距離感が良かったと勝因を挙げた。

「ビルドアップのときに三笘薫と伊東純也は、前線から下りて来ずに相手の最終ラインに対して横幅を取らせるようなポジショニングだった。さらに、鎌田大地や旗手怜央は数的優位になる局面をつくり上げようとするポジショニングを意識していたと思う。そういった距離感の中から、ボールを広いスペースへ届けて、三笘や伊東がボールを前進させるというシーンが何度も見られた」

 各選手の距離感とスペースの使い方が巧みで、ビルドアップにおいても効果的に相手ゴールへ近づけていたことを説明してくれた。加えて、「相手のプレッシングの状況をよく見て、それをうまく利用できていた」と評価。相手のプレッシング状況に応じてできるスペースにボールを運び、広いスペースに運び出してからスピードを上げて前進することで、日本代表はペルーを翻弄した。

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