サッカー日本代表　最新ニュース

　スペイン人指導者アレックス・ラレアは、6月のキリンチャレンジカップ2023でサッカー日本代表と対戦したエルサルバドル代表の分析を担当した。FIFAワールドカップカタール2022以降、日本代表が課題として取り組むビルドアップについて、対戦国の視点を交えて振り返る。（取材・文：川原宏樹）

【プロフィール】アレックス・ラレア

【写真：Noa Koushima】

プロ選手としてカナダでプレーした後、指導者の道に進み、欧州最高位の指導者ライセンスUEFA PROを取得する。2020年からは元スペイン代表、元ヴィッセル神戸のダビド・ビジャが主宰するサッカーするクール『DV7サッカーアカデミー』日本支部のディレクター・コーチを務める。

【第1回はこちら】対戦国はサッカー日本代表をどう分析したのか？ 分析担当が伝えた2つの忠告【スペイン人指導者の視点1】

ビルドアップの難しさとは

　エルサルバドル代表から日本代表の分析を依頼されたスペイン人指導者アレックス・ラレアは、6月に行われた2試合をどのように見たのだろうか。

【AFC アジアカップは「DAZN for docomo」で！
いつでもどこでも簡単視聴】

　前回は、日本代表が誇る攻撃的なタレントらがポテンシャルを発揮したことで大量得点につながったと、勝因のひとつを称賛して「美しいサッカーを実現していた」と評価していた。今回は日本代表のビルドアップについて言及。戦前には弱点になり得るかもしれないと指摘していたが、実際はどうだったのか語ってもらった。

　普段、アレックスが指導しているDV7サッカーアカデミーは、ポジショナルプレーをベースとしたサッカーを教えている。そのひとつとしてビルドアップにも力を入れており、アレックスはその方法や難しさなどを熟知している。

「日本代表というより、すべての代表チームは活動時間が限られている。その中でビルドアップをオーガナイズすることは、どの代表チームにとっても大変な作業になる。特に日本は、選手らがスペインやイングランド、ドイツなどさまざまなリーグでプレーしており、そのチーム構成もさまざま。そういったメンバーが短期間で共通意識をつくるのは難しい。やはり、ビルドアップの構築には時間がかかるのは明らかなので、うまくいかない可能性がある」

　ビルドアップが日本代表の弱点になり得る可能性をエルサルバドル代表に伝え、前線からのプレスよる得点機会と後方でスペースを与えるリスクについて説明したという。