「正直ぬるい」

「ボールホルダーに対して誰がいくのかというところの徹底であったり、ちょっとした寄せ、ゴール前で体を張るところ、いかに近くに相手を置くかとか、そういうところでの失点があると思います」と井原監督は守備の課題について言及している。続けて、「マークの受け渡し、受け取りのところも、サイドからのクロスは警戒していましたが、少し人任せになっている部分もある」と話した。

　そして椎橋は、あえて厳しい言葉を使ってチームの脆さをこう指摘している。

「もっとアグレッシブにいこうとチームでも共有していましたし、選手間でもそういう話は出ていたんですけど、セカンドボールだったり、球際で相手の方が上だったりというので、結果後手だったと思う。失点もして、良くない時の僕らだったと思います。

　（失点シーンは）正直ぬるいですし、あそこもクロスを上げさせるな、マークもつけって話なんですけど、そういうところが現状。僕らも戻るし、その分後ろもやってくれって要求をもっとしていかないといけない」

　チームがバラバラになっているわけでないだろう。しかし、個人から味方へ、味方から個人への要求はもっと高めなければならない。それが足りていないことが井原監督のいう「人任せ」に繋がっているはずで、安い失点が止まらない。それは次第に、自信の喪失や迷いという悪循環を生み出してしまう。柏はこのループから早く抜け出さなければならない。戦術も大事だが、まずは意識の改善が優先だろう。

　次節は湘南との裏天王山。椎橋は「一番大事な試合」と称した。FC東京戦の後半のような戦い方を最初から出すことができるか。意識を強くもちたい。

（取材・文：小澤祐作）