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Jリーグ 1年前

「正直ぬるい」「人任せ」柏レイソルが繰り返す過ち。FC東京戦で見せた甘さ【コラム】

シリーズ:コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

「ゴールを奪われてからエンジンがかかるのでは…」



 現在の柏は試合への入り方があまりにも悪すぎる。今回のFC東京戦を含むリーグ戦直近6試合中、先制点を奪われたのは実に5試合。そのすべてが前半によるものという事実が、それを証明していると言っていいだろう。

「相手にゴールを奪われてからエンジンがかかるのでは遅い」と井原監督も話す通り、当然ながら先に、それも早い時間帯にゴールを奪われれば、その後の展開は難しくなる。慎重な入りでゲームを進めるのと、最初から引いて受け身になってゲームを進めるのとでは意味がかなり違う。現在の柏は後者の印象が強い。

「そういう(先制点を奪われてからギアが上がる)試合が続いている。そうならないように僕らも努力しているつもりですけど、結果そうなっている」と椎橋慧也も同じ過ちを犯していることを痛感している。

 そんな井原監督と椎橋の口から発せられる言葉の中に、ある共通点があった。それが、「ピンチ自体は少なかった」ということだ。FC東京戦に限っていえば、倍近くのシュートを放たれたが、相手の決定機と呼べるものは確かに少なかったかもしれない。

 しかし、点の奪われ方も良くない。これは仕方ないという失点ではなく、自分たちの甘さから招いた失点が散見される。そこまで明確にやられていなくてもやられる、これが今の柏の弱さだ。

 FC東京戦の失点も防げないわけではなかった。左サイドの俵積田晃太にボールが渡った時点で、柏の選手はゴール前に人数を集めることができていた。しかし、クロスを簡単に放り込まれると、ボールウォッチャーになった立田悠悟と古賀はボックス内中央でD・オリヴェイラをフリーにしてしまった。ノンストレスのブラジル人は首を振り、軽々とシュートをファーサイドに飛ばしている。

 後ろに人数はかけるも、ボックス内に放り込まれたボールを弾ききれず、フリーでゴールに押し込まれるのはこれが初めてではない。第14節のヴィッセル神戸戦(△1-1)、第16節の北海道コンサドーレ札幌戦(●4-5)、第17節の横浜F・マリノス戦(●3-4)でも同じようなことが起きていた。

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