MF:ティエムエ・バカヨコ(元フランス代表)
生年月日:1994年8月17日
在籍期間:2018年夏~19年夏、21年夏〜23年夏
移籍金:レンタル料800万ユーロ(約11.2億円)
クラブ通算成績:63試合1得点1アシスト
ティエムエ・バカヨコの取引は、いまでも多くのことが謎に包まれている。
バカヨコは2018年夏にチェルシーからのレンタルで加入した。このシーズンはリーグ戦31試合に出場してレギュラーだった。その後、ナポリでのプレーを経て、2021年夏に再びチェルシーからのレンタルで加わると、シーズン後半戦にはベンチが定位置となる。レンタル2年目は完全に構想外。22/23シーズンのセリエA出場時間はわずか39分だった。
ミランは構想外となったバカヨコを黙って置いていたわけではない。今年冬の移籍市場ではトルコのアダナ・デミルスポルへ行く手続きが進んでいた。チェルシーとの契約を打ち切って新天地へ向かうはずだったが、あとサインをするだけというところで選手がこれに応じなかったとされている。
契約を交わした以上、選手はそれを全うする権利がある。とはいえ、ミランにとってはもっと早く手放したかった選手のはずだ。
MF:アンドレア・ベルトラッチ(元イタリア代表)
生年月日:1991年1月11日
在籍期間:2015年夏~19年夏
移籍金:2100万ユーロ(約29.4億円)
クラブ通算成績:52試合2得点2アシスト
アンドレア・ベルトラッチはミランにとって大きな無駄遣いとなってしまった。2100万ユーロ(約29.4億円)の価値は全く見せられずに終わっている。
ローマの下部組織で育ったベルトラッチは、共同保有先のジェノアでブレイクし、2014年11月にイタリア代表デビューを果たした。このパフォーマンスが評価されてローマが保有権を全て買い取った直後、ミランが2100万ユーロを投じて引き抜いている。
しかし、ミランでは全く長所が発揮できず。ジェノア時代に見せていた中盤からの飛び出しは見られず、チャンスに絡むことは少なかった。加えて、筋肉のトラブルで離脱することも何度かあり、期待とは程遠いパフォーマンスに終始。ジェノアからのレンタルから戻ってきた2018/19シーズンはリーグ戦での起用が1試合もないまま終わり、契約満了で退団となった。
ミランへの移籍で歯車が狂ってしまったベルトラッチ。期待は大きかったが、結果は散々だった。
MF:ヨアン・グルキュフ(元フランス代表)
生年月日:1986年7月11日
在籍期間:2006年夏~08年夏
移籍金:450万ユーロ(約6.3億円)
クラブ通算成績:54試合3得点7アシスト
ヨアン・グルキュフは大きな期待とともにイタリアにやってきたが、その才能を発揮することはなかった。
複数クラブとの争奪戦の末にスタッド・レンヌからミランにやってきた20歳のグルキュフは、ジネディーヌ・ジダンの再来と呼ばれた評価された才能だった。しかし、カカやクラレンス・セードルフ、アンドレア・ピルロといったタレントがいたチームで定位置を得るのは難しかった。ピッチに立っても自信なさげなプレーが目立ち、アピールできない日々が続く。
見かねたミランは2008年夏、グルキュフをボルドーにレンタル。フランスに戻った途端に本来の調子を取り戻し、2008/09シーズンのリーグアン最優秀選手賞を受賞する活躍を見せた。
結局、そのままミランに戻らなかったグルキュフ。ボルドーで価値を高めて完全移籍したことはポジティブだったとしても、才能を開花させることはできなかった。
MF:ルーカス・パケタ(ブラジル代表)
生年月日:1997年8月27日
在籍期間:2019年冬~2020年夏
移籍金:3840万ユーロ(約53.8億円)
クラブ通算成績:44試合1得点3アシスト
ルーカス・パケタはミランのアイドルである元ブラジル代表MFカカと比較されたが、現実は厳しかった。
2018/19シーズンの途中に加入したパケタ。3840万ユーロ(約53.8億円)の移籍金が示すとおり、期待は非常に大きかったが、初の欧州挑戦に加えてシーズン途中の加入という難しさもあり、起用はされたものの結果を出せない時間が続いた。19/20シーズンになるとベンチを温める時間が増え、10月にステファノ・ピオリ監督が就任してからはピッチに立つことも稀になった。
パケタの適応を待つことができなかったミランは、1年半でリヨンに放出。2344万ユーロ(約32.8億円)で手放しており、ミランにとっては大きな損失となった。
早めに手放すことで浅い傷で済んだととらえることもできるが、パケタはミランを離れたあとで価値を高め続けているだけに、逃がした魚は大きいと感じてしまうところもあるだろう。