浦和レッズの背番号14に乗せた思い
「これは言わないでおこうと思っていたんですけど、元気くんが来た試合で自分はゴールを決めているんですよ。すごくパワーをもらっていますし、すごくいい刺激を受けています」
思い起こされるのは2017年7月1日。埼玉スタジアムにサンフレッチェ広島を迎えたリーグ戦の後半アディショナルタイムに、関根はハーフウェイライン付近からドリブルを開始。相手キーパーを含めた6人の選手をかわし、浦和を4-3の勝利に導く劇的な決勝ゴールを叩き込んだ。
ファン・サポーターから神業と称えられ、2017シーズンのJ1最優秀ゴールにも選出された一撃を決めたときも原口が観戦に訪れていた。このときの関根の背番号は「24」。ユースから2009年に昇格した原口が待ち焦がれた「9番」を託されるまで、5シーズンにわたって背負った番号だった。
関根は直後の同年8月に、ブンデスリーガ2部のインゴルシュタットへ完全移籍。翌2018/19シーズンにはベルギーのシントトロイデンへ期限付き移籍し、2019年6月に浦和へ復帰した。
かつて原口が「9」に憧れたように、復帰後の関根も「14」にこだわった。2018シーズン限りで引退したレジェンドで、いま現在は浦和レッズユースコーチを務める平川忠亮が実に16年間にわたって象徴としてきた背番号だったが、2019シーズンはFW杉本健勇がすでに託されていた。
「当時は埋まっていたし、だからといって他の背番号をつけるのも微妙だったので」
こう振り返った関根が復帰時に選んだのは「14番」をひっくり返した「41番」だった。そして、杉本がジュビロ磐田へ期限付き移籍した2022シーズン。関根は念願の「14番」を背負った。平川が大事にしてきた番号へ敬意を払いながら、関根はこんな思いを湘南戦後に明かしてくれた。