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Jリーグ 1年前

浦和レッズ背番号14が抱く“師匠”への思い。2得点の喜びを上回った感情とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

原口元気の存在



「お前、あそこで打つのか、と。あのとき、3対1ぐらいの状況でしたよね。パスを要求しなくても来るかなと思いましたし、直後は(伊藤も)すごい顔をしていました。ごめん、という感じで」

 絶好の得点機を逃した直後の、臨場感あふれるやり取りを明かしながら周囲を笑わせた関根は伊藤をかばうように、大声を出してボールを呼び込まなかった自分が悪いとばかりに続けた。

「そこは自分に貪欲さがちょっと足りなかった。そう思っています」

 直後の53分に湘南のFW大橋祐紀に同点弾を決められた一戦は、前述した関根の連続ゴールで一気に優位に立った浦和が、後半アディショナルタイムにもカンテがゴールを陥れて快勝した。

 勝利だけでなく、複数ゴールをあげたのも4試合ぶり。さらにつけ加えれば、関根は今シーズンの浦和が臨んだ公式戦で、1試合で2つ以上のゴールを決めた最初の選手になった。

「前線の選手がゴールを取れていなかったし、今日は(チームとして)複数得点を取らないといけないと思っていたので。その意味では、しっかり結果を残せたことはよかった。僕的にはなかなか結果がついて来なかったけど、ゴールを決める前から調子そのものはよかったし、ゴール以外ではいいプレーもできていた。ただ、今日のようにゴールという結果がついてくるとより体も軽くなりますし、ゴールに向かう姿勢というものを、より出せているのかなと思っています」

 試合後の取材エリア。メディアの質問に答えていた関根を、観戦に訪れていたOBの原口元気(シュツットガルト)が笑顔でねぎらった。実は原口の来場は関根にとって吉兆だった。

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